1.特殊清掃とは?

まず始めに、特殊清掃の業務内容や必要とされる場所などをご紹介しましょう。
また、故人の後片付けを素人ができない理由もご紹介します。

1-1.特殊清掃が必要とされる状況とは?

現在の日本では、ほとんどの方が病院で最後のときを迎えます。
医師により死亡が確認されると、すぐに処置を施されて遅くとも数日以内に火葬されるのです。
しかし、何らかの理由があって自宅で亡くなりすぐに発見されない、いわゆる「孤独死」が増加しています。
人も生物ですから、亡くなってそのまま放っておくと腐敗が始まるのです。
小柄な方でも数十キロはある肉が腐敗するのですから、臭いも出ますし状態もすさまじくなります。
また、孤独死しているのが発見された場合、遺体は運び出されますが汚れはそのまま残されます。
それを掃除して部屋の状態を回復するのが特殊清掃なのです。

1-2.特殊清掃が必要とされる理由

腐敗した血液、体液は有害です。
体内に入れば感染症の原因になるでしょう。
また、臭いや汚れもひどいものです。
さらに、汚れをふき取ったぞうきんなどの掃除用具や汚れがついた寝具、服、カーペットなどは医療廃棄物となり、自治体では回収してくれません。
専門の業者に処分を依頼する必要があります。
また、遺体が原因の汚れはちょっとやそっとでは落ちません。
さらに、亡くなった場所によっては状態がひどいことになっています。
素人ではとても原状回復できません。
そのため、プロに任せた方が安全で確実にきれいになるのです。

1-3.遺品整理業者と特殊清掃業者の違いとは?

遺品整理業者とは、故人が残した遺品を片付けて処分したり買い取ったりしてくれる業者のことです。
対象はあくまでもものだけであり、遺体が原因の汚れは清掃の対象外になります。
ですから、自宅で孤独死してしまい荷物も残された状態の故人の家を空っぽにしたいという場合は、まず特殊清掃業者に汚れをきれいにしてもらい、汚れがついた家具などをすべて処分してもらってください。
その後、遺品整理業者に依頼して遺品を片付けてもらいましょう。
また、特殊清掃業者は基本的に汚れていない遺品は引き取ってもくれません。

2.特殊清掃業者に依頼するまでの流れと実際の事例

この項では、特殊清掃業者に依頼するまでの流れと実際の事例をご紹介します。
いったいどんな状態のときに依頼が必要なのでしょうか?

2-1.警察や大家、管理会社から連絡が来て孤独死が判明する

孤独死をする方は、人付き合いが希薄な方が多いです。
親族がいても普段は付き合いがないという方がほとんどでしょう。
ですから、警察や管理会社、大家から連絡が来て初めて故人が亡くなったことを知るというケースも少なくありません。
賃貸物件の場合は保証人になっていたらすぐに連絡がいきますが、それ以外のときは時間もかかることがあります。
持ち家の場合はご近所から連絡がくる場合もあるでしょう。

2-2.特殊清掃業者を探す方法

特殊清掃を請け負ってくれる業者は、年々増加しています。
依頼する場合はインターネットを利用しましょう。たくさんの業者がヒットするはずです。
また、イエローページに広告を載せているところもあるでしょう。
遠方から駆け付ける場合は、前もって業者を調べておくと依頼がスムーズにできます。

2-3.契約までの流れ

特殊清掃にかかる費用や時間は、部屋の状態によって違います。
遺体の損傷が激しく、発見までに時間がかかったケースほど、費用は高くなるでしょう。
さらに、季節によっても値段は変わります。
冬よりも夏の方が遺体の損傷が激しくなりやすいですが、冬場でも暖房がつけっぱなしの場合は夏と変わらなくなることもあるでしょう。
業者は下見をした上で見積もりを作成してくれます。
価格に納得すれば契約成立です。

2-4.特殊清掃業者が手がけなければならない事例とは?

特殊清掃業者が手がけなければならない事例とは、大きく分けて2種類あります。
ひとつめは、発見までに時間がかかり損傷が激しい遺体のある部屋。
そしてもうひとつが、すぐに発見されたけれど、やはり損傷が激しい遺体があった部屋です。
亡くなり方によっては、遺体は激しく損傷します。
たとえば、頸動脈(けいどうみゃく)を切断した場合は、血液が噴き出るでしょう。
あちこちに飛び散った血液は、素人では掃除が難しいのです。
また、浴室でお亡くなりになった場合、水(お湯)に浸(つ)かっているわけですから、やはり短時間で損傷が激しくなります。
さらに、持ち家と賃貸を比べると、賃貸物件の集合住宅で孤独死があった場合にお呼びがかかるケースが多いでしょう。
賃貸物件は原状回復の義務がありますし、集合住宅の場合は、ほかの住人の迷惑になります。
ですから、血族が賃貸物件の集合住宅で1人暮らしをしているという場合は、孤独死が起きないように対策を立てておきましょう。

2-5.特殊清掃業者の選び方

特殊清掃業者に依頼をしなければならない、という事態が起きるときは依頼者も動揺しているときが多いでしょう。
ですから、インターネットを検索して最初にヒットした業者などに頼みがちです。
しかし、そこは落ちついてホームページをよく読んで依頼しましょう。
ブログなどに事例と金額が明記してある会社は信用できます。
また、相場などは分かりにくいですが、いくら高価でも1軒あたり二十万円以上を超えるようなことはめったにありません。
ですから、見積もりを取って極端に高い場合や加算前提の場合は、依頼しない方がいいでしょう。
見積もりの段階でしたら断れます。
また、特殊清掃業者に依頼する範囲は依頼人が選べるのです。
たとえば、汚れだけ落としてもらって後の部屋の掃除は遺族が行うこともできますし、遺体から発生した害虫駆除や家全体の掃除も依頼したりもできます。
よく考えて依頼してくださいね(^^)